テーマ:スケジュールマネジメント
宇佐美君と亀田君は30歳の中堅社員。ある証券会社につとめています。二人はこれまで業務を忠実にこなし、後輩を指導し、成果を上げてきました。
ある日、二人の上司から、このような提案がなされました。
「二人とも程よい年齢となり、これまで業務経験を積んできた。ここで、管理職を視野に入れて、昇進試験を受けてみないか?」
二人は上司の提案を受け入れ、試験を受けることにしました。
試験らしい試験を受けるのは入社以来という二人。
現在のところ、宇佐美君のほうが一歩リードしている状況です。
宇佐美君は、学生時代に一夜漬けで試験勉強していたくせがあり、試験日近くになるまで勉強らしい勉強をしないで過ごしていきました。普段の業務が忙しく、業務優先である事も理由の一つとして、勉強はより一層はかどらなくなってしまいました。
それに対して、亀田君は、勉強時間確保のために、まずは業務を効率よくまわすことを考えました。しなければいけないことを全て紙に書き出し、分類し、優先度をつけて、その順に処理していきました。こうして効率よく業務を終了させて空き時間をつくり、空き時間を昇進試験の勉強に割り当てていきました。
亀田君は、GTD(Getting Things Done)という手法を使っています。これについては後ほど詳細を記述します。
試験が近づくにつれ焦りはじめた宇佐美君は、猛スパートで勉強しましたが、その時に限って重要な仕事が割り込み、なかなか思うように勉強が進みません。知らず知らずのうちにストレスもたまり、イライラし始めてしまいました。
亀田君にも同じように仕事が割り込んできましたが、あらかじめ割り込みが起こる事を想定して前倒しで勉強していましたので、安心して勉強を続けることができました。
昇格試験後、亀田君は見事昇進が決定し、宇佐美君は残念ながら現状のままとなってしまいました。
業務においては、コツコツ型の勉強はとても大切です。無理がなく持続できることも理由に挙げられますが、繰り返し学習する事で、記憶の定着率を高めることができます。一過性のすぐ忘れてしまうものではなく、深い知識として身につけることができるので、今回のように試験対策のみではなく、実際に業務に活きる知識を得ることができます。たとえば、英語学習サイト「iKnow(http://www.iknow.co.jp/)」では、脳科学理論に基づいて適切なタイミングで英単語を繰り返し出題することにより、利用者の記憶定着率を向上させているそうです。
亀田君が使ったGTD(Getting Things Done)という手法、数年前に米国のデビッド・アレン氏によって提唱され、欧米を中心に爆発的にヒットした、Life Hackの代表というべき概念です。
GTDは、以下のステップで行います。
・収集
頭の中の「気になっていること」をすべて書き出します。書き出す対象は何でも構いません。大切なのは、できる限り全ての「気になっていること」を網羅する事です。
・処理
収集したタスクを、以下のフローに従って分類します。
>すぐできること(2分以内)
その場で実行。
>複雑なこと
計画が必要な「プロジェクト」に分類。
>人に任せられること
「連絡待ち」に分類。
>今すぐしなくてよいこと
「カレンダー」に分類。
>今すぐすべきこと
「次のアクション」に分類。
>しなくてよいことで情報となりうること
「資料」に分類。
>しなくてよいことで情報とならないこと
「いつか」に分類。
>不要なこと
ゴミ箱へ。
・整理
以下の順に追跡・整理する。
次のアクション→プロジェクト→連絡待ち→いつか→カレンダー
その中でも優先度を設け、優先度が高いものを上位に持ってくる。
・評価
定期的(最低週1回)に、リストを見直す。必要なものがあれば随時追加する。
・実行
リストに従って実行する。
GTDでは、記憶の部分を脳からツールに移すことで脳をすっきりさせ、知的生産性を高めることをねらいとしています。
使用するツールは何でもかまいません。メモ、ノート、手帳、webシステム、wikiなどです。
筆者は「Remember The Milk(http://www.rememberthemilk.com/)」というサイトを利用して、GTDを実践しています。このサイトは、牛乳を買いに行くようなことでも記録してしまえ!というのがコンセプトです。
今回GTDを紹介しましたが、自分にあったタスク管理手法を習得し、より効率のよい方法で、ストレスフリーに働きましょう。
2009年01月04日
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