2009年03月25日

ねずみの恩返し

テーマ:コミュニケーションスキル
 
 獅子山君は、ある企業で経理を担当しています。その企業は中流程度の規模ですが、扱う商品は市場の成長性が乏しく、停滞感の漂う業界でした。企業体質も古く、良いように作用すればよかったのですが、悪い部分ばかりが目立っていました。
 
 ある日、獅子山君は通いつけのバーに行き、カウンターでウィスキーを飲んでいました。
 良い感じにほろ酔い、ふと隣をみると、なにやら頭を抱えて悩んでいる、一つ二つ位年上と見られる青年が、グラスを傾けていました。ぱっとみた見た感じでは精悍な顔つきですが、なにやら疲労しているようです。
 獅子山君は酔いに任せて話しかけてみました。その青年は間臼さんといい、自分で会社を切り開いて運転しているという話を聞きました。取り扱っているビジネスはこれから成長しそうな分野で、間臼さんの語るアイデアや仕事に対する姿勢にも魅力を感じましたが、どうやら資金繰りの面で苦労しているらしく、このままだと黒字倒産しかねないという理由で悩んでいたようでした。
 せっかくのアイデアが埋もれてしまうのは惜しいな、そう感じた獅子山君は、経理で得た知識とノウハウを教えてあげました。
そして、連絡先を伝え、バーを後にしました。とくに見返りを期待した訳ではなく、少し人助けしたかな、という気分になり、気持ちよく帰路に着きました。
 
 その後、間臼さんから連絡が入り、会社は無事窮地を脱した事が伝えられました。それ以来、二人は時々連絡をとりあうようになり、バーで出会ったら一緒に飲んだりするような仲になりました。
 
 それから数ヶ月が経ち、獅子山君の会社に異変が訪れました。世界金融ショックの波を受け、業界が大きく変動しました。
 獅子山君の会社は年功序列性を取っていましたが、若い人材に活気がなく、年配の社員は保守的で、その業界の変化についていけなくなりはじめました。このままではいずれ倒産してしまうなあ、獅子山君は漠然とそう考えるようになりました。

 ふとそんな事を考えながら馴染みのバーに行くと、間臼さんに会いました。近況を聞くと、その後大きく盛り返し、今では不況にかかわらず飛ぶ鳥を落とす勢いになっていました。獅子山君は心から祝福し、現状でまだ足りてない面をアドバイスしてあげました。

 その後数日経ち、間臼さんから連絡が入りました。そこで、うちの会社に役員としてきてくれないか?という話が飛び出しました。会社は間臼さんが成長させるから、獅子山君に足りない部分を補佐して欲しい、とのことです。

 獅子山君は考えた結果、その話を受けることにしました。

 それからまた数ヶ月経ち、間臼さんの会社、今自分がいる会社は、右肩上がりで成長を続けていました。
 前職の仲のよかった社員に連絡を取ってみたところ、クビを切られた、という話を聞きました。前に所属していた会社は人材削減案を打ち出し、進めていました。獅子山君が残っていたら、自分が切られていたかもしれません。
 
 筆者が数年前ある現場で働いていたとき、中国人の方がいました。同じ仕事をしていた縁で仲良くなり、世間話をよくしていました。
 ある日、私はテレビが壊れ、その事を彼に話しました。パソコンでテレビがみれたら便利だと話を振ったところ、その方はちょうどテレビを買ってPC用のチューナーが余ったので、無料であげますよ、と言ってくれました。私はありがたく頂き、そのチューナーは今でも活躍しています。
 まさかそんなピンポイントで需要と供給がマッチするとは思っていなかったので、とても印象に残っています。この事は小さなことかもしれませんが、人との縁からは思いがけないことが起こりうるんだなあと感じました。

 今日のテーマは、ビジネスのニーズシーズについてです。
 ニーズは、消費者・顧客が望む要望、欲求に当たります。シーズは、「種」という意味で、企業が開発した新しい技術のことを指します。潜在的な需要、供給と言い換えればわかりやすいかもしれません。シーズとニーズを結びつけるところに、利益がうまれ、ビジネスにつながります。

 潜在的なシーズ・ニーズは、案外身近なところに転がっていたりします。友人との会話、飲み会の席、家庭での会話などで、ちょっとした欲求や新しい技術またはそれに追随することの話がでたら、それがビジネスにつながらないか考えてみてください。

 ビジネスに成功する人は、運がよい、時流にたまたまマッチングしたなどと思われがちですが、まだ顕在化していないニーズやシーズに対する目利きがよかったり、築いてきた人脈の中からよいビジネスに結びつけたりなどで成功につながっています。形としては、ニーズやシーズそのものだったり、それを自分自身の中で咀しゃくした結果ビジネスにつながるものだったりと、様々です。
 それらの根幹に、コミュニケーションは存在します。ちょっとした心がけひとつでビジネスが成功する可能性の増減が発生します。普段の何気ない行動に落ち度がないか、自分の興味のある分野だけに目が向いてないか、反すうしてみてください。
 まずは、自分という商品をよく知ってもらうことから第一歩がはじまるのではないでしょうか。広大でどんな実がなるかわからない畑が目の前に広がっています。いろいろな場所に種をまいて実がなるのを見守りましょう。
posted by cozyjet at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イソップ働話
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