2009年04月07日

さるかに合戦

テーマ:ネゴシエーションスキル

 猿田さんは、プロジェクトマネージャー。あるメーカーに勤めています。現在、新しいプロダクトの開発プロジェクトを担当していて、プロダクトの一部を、小さな規模の部品メーカーにアウトソーシングすることにしました。

 部品製造依頼先企業の窓口は蟹山さん。部品開発のスケジュールや品質の管理は、蟹山さんが担っています。蟹山さんは穏やかで感じのよい人ですが、少し気の弱いところがある性格でした。

 猿田さんは、今回のプロジェクトでは自分のところの利益を最大限に伸ばしてやろう、交渉相手が蟹山さんなら多少無理を言っても通るだろう、と考えました。蟹山さんに提示した金額は、とても安い額でした。
 蟹山さんは困惑しましたが、自社と猿田さんの会社とのつながりを断つ訳には行かないと考え、納得しないまま案件を請ける事にしました。

 蟹山さんは、赤字を出さないよう、一生懸命働きました。しかし、受注したあまりに安い金額を一人の力でカバーしきる事ができず、体を壊して入院してしまいました。
 結局、蟹山さんが抜けた穴は他のメンバーではカバーすることができず、その影響でプロダクトの完成の時期をずらす事になってしまいました。時期がずれた分他の要員を確保しておくために結局は割高になってしまい、リリースも遅れ、猿田さんは踏んだり蹴ったりになってしまいました。

 今回は、交渉のお話です。
 ビジネスにおいて交渉を行う際、交渉が下手な人は、自分の要求だけを通したり、相手の要求をまるまる受けたりしてしまいがちです。物語では、猿田さんは前者、蟹山さんは後者のパターンでした。
 後者はLose-Winの関係と呼びます。相手の利益にはなるが自分の利益にならない、危険なパターンです。企業は利益をあげる必要があるので、その線引き、妥協ラインはあらかじめ用意しておかなければなりません。
 次に、前者のパターンは、Win-Loseの関係です。自社の利益にはなりますが、相手方は損失を被ってしまいます。それが通れば一時的に利益をあげることができますが、その後の付き合いを含めて考えると得策とはいえないでしょう。企業は永続性を目標としなければならないので、長期的に利益をあげるには、相手側の立場も考える必要があります。
 時には、お互いにLose-Loseの関係になってしまうことも、往々にしてあるようです。冷静な交渉ができず負の感情に囚われたときや、議論に勝つことが目的になったとき、メンツを優先させたときなどに陥ってしまいます。
 ベストはもちろん、お互いが利益を享受するWin-Winの関係です。

 この4つのパターンが全ての選択肢に見えますが、もうひとつ、選択肢があります。それは、「何もしない」事です。Win-Winの関係になることができないなら、あえて妥結させることはないという考え方で、ビジネス書の名著「七つの習慣」の中で「Win-Win or No Deal」という言葉で紹介されています。

 交渉は、一定の利益を奪い合う「ゼロサムゲーム」ばかりではありません。お互いの利益を最大限に引き延ばせる点を探りましょう。
posted by cozyjet at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | にほん無瑕疵話
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/28298487
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック